つれづれっぽく読書雑記~気ままにブックレビュー

2007年02月に書いたページ。日ごろから雑多に読んでいる本・書籍について、読書感想文とか雑記とか、つれづれ気ままに書評・ブックレビューを記していきます。

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2007年02月26日

「ひょうたん」宇江佐真理

 父の遺した骨董店を賭け事で潰しかけた音松。
 将来を誓い合った男に捨てられたお鈴。
 そんな二人が寄り添って立て直した古道具屋に、ある日、浪人から一振りの刀が持ち込まれた。
 調べてみると、最上大業物の名刀だった。音松は浪人に1両を融通した……。
 底抜けにお人よしの夫婦が営む古道具屋を舞台にして、江戸に息づく熱い人情と心意気を、情緒豊かに描いた連作6編。
 今の世の中、「人情」に触れてほっと一息つくほど救われた気持ちになる時はない。
 是非、一読をお薦めする。

2007年02月24日

「覇王の夢」津本陽

 妥協を許さない現実主義と底知れぬ猜疑心で、天下統一に突き進んでいった織田信長。
 世界は大航海時代。
 その時代の空気の中で、信長は未曽有の構想を抱く――それは天下統一から海外制覇への道だった。
 天正10年6月2日、信長が朝廷へ向かう4時間前に起きた光秀の謀叛。
 これがなければ、彼は朝廷に暦の改定を要求し、時間をも支配したかもしれない。
 乱世に生きた英雄の夢を描き出す筆致に、読む者の胸まで躍る。

2007年02月22日

「鬼ともののけの文化史」笹間良彦

 中国では「鬼」と言えば死者の霊魂・亡霊のこと。
 このことからも分かる通り、この文字は亡霊の象形だ。
 この世から隠れたものだから「隠」という。
 では角をはやし、鉄の棒を持つという造形はどこから来たのか。
 死者の幽魂を鬼(隠)とする中国の思想とインドの羅刹・夜叉の図像が習合したものと著者である笹間良彦氏は考える。
 奈良・平安、動乱期、鎌倉・室町以降と、それぞれの時代の「鬼」「もののけ」の変遷・変化を眺め、その民俗学的な意味を探る。
 豊富な図像を見るだけでも楽しい一書。
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etacky エタッキー
 地方在住者。
 若干、活字中毒気味。
 ただし読書速度は速くはないので、気ままに読み進めています。
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