つれづれっぽく読書雑記~気ままにブックレビュー

2007年09月に書いたページ。日ごろから雑多に読んでいる本・書籍について、読書感想文とか雑記とか、つれづれ気ままに書評・ブックレビューを記していきます。

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2007年09月21日

「おねだり女房」宮本昌孝

 “縁切り寺”と呼ばれる鎌倉の東慶寺を舞台にした、一風変わった時代小説「おねだり女房 影十手活殺帖」。
 4編の短編時代小説が収録されている。
 タイトルにもなっている「おねだり女房」は、義母のいびりに耐えきれず、これまで7度も駆け込んでいる浅草にある銘酒屋の嫁しまのこと。
 確かに義母は厳格だが、いびりと言っても、それはお嬢様育ちの嫁しまから見た話で、実際は些細なことで駆け込みを行い、その度に夫や義父から「おねだり」を勝ち取って、嬉々として浅草に戻る。
 7度目の駆け込みから半年が経って、また夫が迎えに来るが、今回、しまは寺には来ていなかった。
 寺の御用宿を勤める和三郎と、人のよい寺役人・野村市助のコンビが真相を探るのだが……。
 基本的には人情話だが、小気味の良い展開で、サッパリとした読後感が好感触。

2007年09月01日

「ハゲタカ」真山仁

 NHKでドラマ化され、再放送までされています。
 かく言う自分自身も、ドラマを観てからこの原作「ハゲタカ」を手に取った1人。
 ただ、最初に言っておくべきでしょう。ドラマと原作は、まったく違う展開をたどります。
 ドラマはドラマで引き込むものがありました。民放には作れないドラマだなと。
 登場人物については、実力ある俳優陣が演じただけに、個々については淡々と描かれる原作より魅力的だったかと思います。
 現にこうして原作を手に取らせることに成功しているわけで、それはそれで大したことです。
 それでもやっぱり、原作に沿ったドラマも観てみたい。
 ドラマの「ハゲタカ」しか観たことがない人は、是非、原作も読んでみてほしいです。
 実際に日本で起こっている企業の「再生」「合併」「買収」など、きれい事ではすまないドライな経済競争・経済戦争が、自分のような素人にもピリピリしたせめぎ合いを実感できるほどに、丁寧に描かれています。
 上下巻にわたるボリュームも、一気に読めます。
 特に、現実社会でも「ハゲタカ」として忌み嫌われている感のある「ファンド」が、何を目指し、どういう役割を果たしているのかが分かります。
 それを象徴する鷲津という存在が、下巻の途中以降、さまざまな思いや背景が明らかになる中で、浮き彫りになってくる課程が、読者の「ファンド」に対する理解と重なるのは当然でしょう。
 繰り返しになりますが……やっぱり、原作に沿ったドラマも観てみたい。
「ハゲタカ」真山仁-関連記事
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 地方在住者。
 若干、活字中毒気味。
 ただし読書速度は速くはないので、気ままに読み進めています。
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