家族の愛に包まれ、力強く生きた娘の姿を母が綴った闘病記。
11歳で骨肉腫を患い、2年後、平成16年9月に他界した猿渡瞳さん。
病名を告知されても、たくましい生命力と過酷な治療にめげない精神力で、3度も転移を乗り越えた。
周囲への気配りと感謝の絶えない少女は、病魔にさえ“命の尊さを教えてくれた。ありがとう”と。その思いを込めた作文「命を見つめて」は死後、全国作文コンクール優秀賞に輝いた。
幼い命の死は、より一層もの悲しい。
しかし、「病」や「死」が、そのまま「不幸」ではないという、その小さくも力強い声を、私たちはどう受け止め、そしてどう「生」を充実させていくのか。
「生きること」が、どれだけ素晴らしい可能性のかたまりなのかを示してくれる。本書「
ママ、笑っていてね ガンと向き合い、命を見つめた娘の贈り物」は、そんな実の詰まった一冊だった。