世界の三大宗教と言われる中で、日本人にとってイスラム教への理解が最も薄いのではないか。
本書は、アフガニスタンに嫁いだ日本人女性の数奇な人生をたどるドキュメンタリー。
異なる衣食住へのとまどいや、一夫多妻制ゆえの「もう一人の妻」との確執。更にソ連のアフガン介入が、夫婦を十九年間、遠ざけることになる。
見えにくかったイスラム社会を、その中で暮らす女性の視点から描いている。
命がけの国外脱出談では、難民の抱える苦悩も浮き彫りに。
その中でも、京都出身の女性の前向きな性格と、はんなりした言葉遣いが、重い内容をも明るくしていると思う。