看護学生・イレーネ、17歳。
その幸福な人生は1939年、ドイツ軍のポーランド侵攻で激変する。
長い逃亡の果て祖国に帰った彼女は酷い虐殺に戦慄しつつも、遂に独軍将校の愛人となる道を選ぶ。生きるために。
そして数々の狂気の嵐をかいくぐり、十数人のユダヤ人の命を救う。
本書はその体験の口述を綴ったもので、その動機は、いまだに跋扈する“ホロコースト否定の亡霊”と戦うためだという。
生きるということはきれい事だけではないということ。しかし、その中でも何か人のためになることを行いたい。
様々なことを考えさせられる一書。