つれづれっぽく読書雑記~気ままにブックレビュー

2006年08月に書いたページ。日ごろから雑多に読んでいる本・書籍について、読書感想文とか雑記とか、つれづれ気ままに書評・ブックレビューを記していきます。

« 2006年07月 | メイン | 2006年09月 »

2006年08月09日

「見出された『日本』」大久保喬樹

 19世紀末から1世紀間に来日したフランス知識人5人の日本像をたどる。
 「お菊さん」の著者ロチにとって、日本は理解不能の異郷だった。
 クローデルには、人と自然が融合した理想の地と映った。
 マルローは、サムライ精神を生んだ風土を愛した。
 バルトは文楽など伝統芸能に多神教性を読み取り、レヴィ=ストロースは文明と野生の共存を日本に発見した。
 西欧中心から異文化共存へ――時代とともに変化する日本観を語る。

2006年08月08日

「共犯マジック」北森鴻

 「フォーチュンブック」――それは不幸だけを予言できると評判の、謎の書だった。
 とある書店でこの本を買い求めた7人が、その後20年間にそれぞれに罪を犯す羽目に。
 彼らの犯罪は間接的な連鎖を織り成して、3億円事件など、昭和の犯罪史の裏面を貫く縦糸のような色彩を放ち始める。
 周到な伏線を張り巡らした見事な構成力で、7編の連作が共鳴し合う長編ミステリー。

2006年08月07日

「自分の骨のこと知ってますか」桜木晃彦

 頑丈で軽く、硬くて弾力のある骨。
 その骨が脳や内臓を守っているのだが、精緻な仕組みは意外と知られていない。
 例えば、骨には血管や神経があること。
 また血液を製造しているのも骨。
 男性の骨はごつくて鋭角的なのに、なぜ、女性のは全体的に丸みを帯びているのか。
 骨の起源から骨の形、老化の仕組み、身体各部位の骨の働きなど、最新の知見を踏まえた“骨学”講座。

2006年08月06日

「日本人の忘れもの」中西進

 例えば、子どもの「ごっこ遊び」。
 「大人のまねごと」は大人への成長過程でもあった。それが失われた今、子どもたちは個室でテレビゲームに興じる。
 また昔の人は自然の力を恐れ、人間の浅はかな傲慢を戒めた。
 だが今の人は、自然の脅威に高をくくってレジャーにふけり、惨事を招く。
 現代人が豊かさと引き換えに、忘れ、失ったものの大切さを考えるエッセー集。

2006年08月05日

「ポットショットの銃弾」ロバート・B・パーカー

 スペンサーシリーズ。
 西部の小さな町・ポットショットから、美女が探偵スペンサーを訪ねてきた。夫を殺した犯人を捕まえてくれという。
 町は流れ者集団に牛耳られ、警察も動けない状況。
 スペンサーは彼らに対抗すべく旧知の凄腕仲間を結集する。
 「荒野の七人」さながらだが、背景に大仕掛けが用意されており、さすが大家パーカーとうならせられる。

2006年08月04日

「トルストイ心の旅路」佐藤清郎

 「人生いかに生きるべきか」に悩み、思索した文豪の生涯を日記や作品からたどる。
 ルソーを愛読した青少年期、農村改善の試み、ツルゲーネフとの出会いと衝突、教会からの破門。
 そうした経緯を通して、教会に盲従する「絶対的帰依の感情」でなく“理性をも納得しうる信仰でなければならない”との信仰観に至った道筋、仏陀・孔子らの思想にも目を向けた内面の軌跡を考える。

2006年08月03日

「ゴールド」響堂新

 バンコクで日本人が次々とショック死した。
 バイオ研究者・吉崎が経営する農園の生産米の安全性が疑われ、大使館付医務官・安斎は吉崎を訪ねるが、協力的な態度であり、コメの分析でも不審な物質は検出されない。
 一方、ジョギング中に襲われたり、留守中に部屋が荒らされるなど、安斎の身辺に障害が――。
 麻薬密造を巡るいざこざを描いた国際色あふれる長編ミステリー。

2006年08月02日

「巴」松浦寿輝

 書家を名乗る老人に見せられた16ミリフィルムに魅せられ、大槻は続編の撮影を引き受けた。だが編集からは外される。
 揚げ句、暴力団まがいの男達に襲われ、過去の女の居所を問いただされる始末。素人の自分になぜ?
 老人の残した謎めいた言葉の意味を問い返す大槻が、ふと気づくと連続殺人事件に巻き込まれていた。
 形而上学的な迷宮に読者を吸引する異色ミステリー。
 1  |  2  |  3  |  4  | All pages
プロフィール
etacky エタッキー
 地方在住者。
 若干、活字中毒気味。
 ただし読書速度は速くはないので、気ままに読み進めています。
カテゴリー
最近のエントリー
RSS新着情報
Amazonサーチ
訪問者数

読書ブログランキング
にほんブログ村 本ブログへ
ページビューランキング
検索
Google
最近のコメント
最近のトラックバック
アーカイブ
リンク集

ブログアクセサリー
あわせて読みたい
SEO Stats powered by SEO-Stats.com
スカウター : つれづれっぽく読書雑記~気ままにブックレビュー
Googlebot last access powered by Linkfind.org
テクノラティお気に入りに追加する
 RSSリーダーで購読する
[フィードとは]
はてなRSSへ追加
Livedoorへ追加
My Yahooへ追加
Google Readerへ追加

track feed track feed

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
このブログは、次のライセンスで保護されています。
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス.

Powered by Movable Type 3.2-ja-2