つれづれっぽく読書雑記~気ままにブックレビュー

2006年07月に書いたページ。日ごろから雑多に読んでいる本・書籍について、読書感想文とか雑記とか、つれづれ気ままに書評・ブックレビューを記していきます。

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2006年07月23日

「心にしみる天才の逸話20」山田大隆

 ダーウィンは最初、エジンバラ大学の医学部に入学したが、外科手術実習で卒倒。医者をあきらめ、ケンブリッジ大学に入り直す。
 そこで博物学に触れたことが後の進化論につながる。
 エジソンは不眠不休で仕事に取り組んだことで有名。ほとんど自宅に帰らなかった。
 新しい研究所が開設された日、薄汚れた風体のエジソンを、守衛は浮浪者と思い、入所を拒否した――ほかにキュリー夫人やガリレイなど20人が取り上げられている。
 こういう、こぼれ話風のものは大好物だ。

2006年07月22日

「価格の見える家づくり」山中省吾

 工務店や住宅メーカーなどの元請け会社を介することなく、依頼主が設計事務所と契約を交わし、各種施工業者への直接発注、建材の仕入れなど、すべての価格を明瞭にして家を建てる“オープンシステム”。
 「工費の無駄を省いた安くて賢い家づくり」が可能となる。
 このシステムを考案した建築家が経験をもとに、そのノウハウを紹介。
 30件の建築事例を収めた写真や間取り図を見ているだけでも楽しい。

2006年07月21日

「ハリエット・ジェイコブズ自伝」ハリエット・ジェイコブズ

 米ノースカロライナ州生まれの女性が、その半生を記した自伝。
 奴隷の子に生まれ、農場主の子とともに教育を受けた彼女は、成長してフリント医師に譲られる。
 待っていた性的虐待。逃亡――約7年の屋根裏生活、また北部自由州や英国への脱出行。
 執拗な追跡の果てに、若い弁護士に買い取られる形で「自由」を獲得する。
 その人生の軌跡そのものが“人種とジェンダー、性”について問いかけてくる。

2006年07月20日

「バッハの音符たち」池辺晋一郎

 TVでも軽妙な語り口の著者が、バッハの音符を検証、作曲技術を語る。
 《ゴルトベルク変奏曲》ではテーマと30変奏の骨組みを解明。
 「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ」を食卓の料理になぞらえて分析。
 「平均律クラヴィーア曲集」では現代の12音技法に通じる曲の展開を論じ……と“音楽の父”を縦横に語る。
 また「マタイ受難曲」では作曲者の心理に言及する等、クラシック愛好家ならずとも楽しめる。

2006年07月19日

「涙」乃南アサ

 昭和39年秋、東京オリンピックを目前に、婚約者の刑事が失踪した。
 彼の同僚の娘が暴行・殺害された現場に居合わせた痕跡を残して……。
 諦めきれない萄子は、彼を見かけたとの噂を聞いては追い求める。
 一方、恨みを抱く元同僚も彼を追う。先に見つけるのはどちらなのか。
 2年にわたる旅の果てに到達した一つの結論とは――。
 高度成長期の社会を背景に、衝撃的な真相解明まで一気に読ませる。

2006年07月18日

「話に花を咲かせましょう」神野秀雄監修

 学生たちが老人ホームで高齢者にインタビュー。
 そのやりとり15話を収録。
 例えば福田操さん(95)。士族の娘に生まれ、教師になる。
 当時としては珍しい恋愛結婚。名古屋で空襲に遭う。
 「今は何でも何やっとる時も楽しいです」
 また服部清さん(65)。
 「いつもあそこに座っている百歳のおばあちゃん、あの方は私の親友です」
 どの人にも不思議と心に響く言葉がある。年輪に裏打ちされた深みのような。

2006年07月17日

「パラサイト・レックス」カール・ジンマー

 原題は“寄生虫王”。
 最近は、免疫系で寄生虫の存在が適度な刺激になるとの研究成果も出ているらしい。
 寄生生物はヒトの進化のサイクルに深くかかわったと考えられている。
 とはいえマラリアで今も12秒に1人が死に、象皮病のフィラリア糸状虫に1億2000万人が苦しむ。
 寄生虫の“相手を利用して生きる”戦略を考察する先端の生物学リポート。

2006年07月16日

「天国への階段」白川道

 企業グループを率いる青年実業家・柏木圭一は財力を武器に、胸に秘めた復讐劇を着々と実行していた。
 だが達成を目前に、老刑事の執念から、殺人事件の捜査線上に柏木が浮上する。
 次第に解明される彼の半生。
 26年の時を隔てて明かされる真実とは?
 錯誤の故に、悲劇に悲劇を積み重ねてしまう主人公たち。
 金に翻弄される悲痛、人を思う哀切の織り成す異色作。
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プロフィール
etacky エタッキー
 地方在住者。
 若干、活字中毒気味。
 ただし読書速度は速くはないので、気ままに読み進めています。
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